「歯科技工業界全体の働き方改革を推進したい」―キャノン・デンタル・ラボラトリーさまが真っ先に目を向けたのは、車両管理システムだった
- 業種
- 医療・製造
- 管理車両台数
- 3台
- 事業内容
- 歯科技工に関する一切の業務
- 従業員数
- 20名
- 活用目的
- コスト削減 / 売上増加 / 法令遵守
国内人口の減少によって労働人口が年々減り続けていることに危機感を感じ、2016年9月に政府が掲げた「働き方改革」。長時間労働を是正する、効率的に働いて生産性を向上させる、ワークライフバランスを実現するなど、言葉だけが先を歩いていますが、具体的にどこから、何を始めればいいのだろうと着手できないままでいる企業も少なくないのでは。
今回ご紹介するキャノン・デンタル・ラボラトリーさまも同じように頭を抱えていたそうです。しかし、何もしないままでは、変化の激しい今の時代を乗り切ることができないと考え、検討を始めたのが車両管理システムでした。
本記事では、取締役の佐藤さまに導入の経緯から今後の活用について、お話を伺いました。
創業からおよそ40年、歯科技工業界で進化し続ける
まず、御社の事業内容について教えてください。
キャノン・デンタル・ラボラトリーは、昭和58年に設立し、被せ物や、入れ歯、マウスピースなどの歯科技工物を作り、歯科医院や大学病院に納めている従業員が16名ほどの企業です。
最近では、CADシステムで歯牙の形をデザインした後CAM装置でワックスを自動切削したり、スペースシャトルの外壁に使われているジルコニアを、弊社にある大きな窯で1600度で焼き、歯の色に着色し患者さまの口腔内に使用するなど、先端技術を取り入れながらより良いものを提供するように進化させています。
導入の決め手は求める機能とそれに見合ったコスト感
車両管理をしようと思ったのは、何かきっかけとなる出来事があったからでしょうか?
働き方改革に着手しなくてはと思ってはいたものの、具体的には何をどこから、どのようにすればいいのかわからずにいました。
ただ、以前から弊社には営業スタッフが3名在籍していますが、営業日報の提出を必須としていないこともあり、いつ、どこで何をしているのかが把握できていないことに課題を感じていました。このままでは何も手を動かすことができないと思い、まずは現状把握が重要だと、営業スタッフの稼働を明確にすることを目的として車両管理システムの導入を検討し始めました。
最近では働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)が企業に求められていますが、具体的にどこから取り組めばいいのかが分かりづらいですよね。御社が働き方改革に着手しようと思った理由をお伺いできますか?
歯科技工業界は働き方改革とはかけ離れた業界で、長時間労働になりがちなところを改善したいと思ったからです。私も駆け出しのころは夜中の12時を回るまで働くなんてことが日常茶飯事でしたが、歯科技工業界自体も急激に衰退し、歯科技工学校の数も減少していることから、このままではいけないと危機感を強く感じました。
これからも企業を存続させ、業界と技術を守っていくためにも、業界全体が働き方改革を意識して働く環境を改善し、他の業界や一般社会と同水準にしなくてはならないと感じています。
歯科技工学校の減少や、働き手が不足しているのはなぜでしょう?
そうですね、やはり他の業界より労働環境が良くないというイメージがあるからではないでしょうか。
どのような理由によって労働時間が長くなるのですか?
技術が必要な業界ですので、どうしても労働集約型になってしまいます。5人以下の歯科技工所は全体の90%を占めます。来院患者の偏りにより生産力をオーバーした依頼が来てしまうこと、また技工料金のダンピングにより利益率の低下などがあります。
また、着色したり、形を変えたり、歯科技工物はこだわれば時間をかけてどんどん良いものを追求できるので、結果として労働時間が長くなってしまうのです。
歯科技工業界に根付いた課題を解決し、他の業界と同水準の労働環境にするために、働き方改革に着手しようとされたキャノン・デンタル・ラボラトリーさま。まずは自社の働き方改革のはじめの一歩として、営業スタッフの稼働を把握するために車両管理システムを導入したということですね。
はい。現状を正しく把握せずに、「もっと効率よく営業しよう」と口先で言うだけでは、意味がありません。そのため、走行時間や走行距離、走行ルートから営業社員の働き方を可視化しようと考え、車両管理システムにたどり着きました。
他社の車両管理システムとも比較検討されましたか?
何社かと比較検討しましたが、求める機能と金額について弊社の希望に一番フィットしたため、SmartDrive Fleetを選びました。一番の決め手は、初めてでも取り入れやすいコスト感です。
SmartDrive Fleetのデータから、終業時間が長い理由がわかった。
今はSmartDrive Fleetをどのように活用されているのでしょうか?
走行ルートの記録で営業活動を可視化するだけでなく、リアルタイムでわかる位置情報の機能もフル活用しています。たとえば、クリニックから電話で「●●を取りに来ていただけますか」などと依頼を受けた際に迅速な指示出しをしたり、たまに発生する技工物の納品漏れの際にクリニックからもっとも近くの営業スタッフに連絡をしたりするなど、緊急時の対応に役立てています。
また、SmartDrive Fleetでデータを確認していたところ、患者さんと立ち合う時間が長いため、終業時刻が遅くなることがわかりました。これは営業活動の中でも重要な時間ですので…それを理解できたのは非常に大きいですし、だったらどの部分を効率化できるかを考えなくてはなりません。このように、どこで、どれだけ時間がかかっているのかについては、営業が口頭や紙で報告するよりもデータで表示された方が正確に理解できますから、管理する立場としては非常に助かっていますね。
SmartDrive Fleet細かなデータを取得して正確に明示してくれるので、営業スタッフは大事なポイントだけで伝えれば良いですし、事務的な負担が軽減できます。
車両管理システムを導入する際に、営業スタッフから「監視されているみたいで嫌だな」など、ネガティブな意見は出ましたか?
もしかすると、心の中では思っていたかもしれませんが、そういった声は耳にしていません。何らかのトラブルが発生したときも迅速に対応ができるとか、業務を効率化して働き方を改善したいという気持ちが伝わったのか、どのスタッフも文句一つなく利用しています。
目指すは健康な歯のように真っ白な「ホワイト企業」
SmartDrive Fleetは簡単に利用を開始できましたか?
デバイスをシガーソケットに挿し込むだけですし、アプリの登録も簡単でしたし、とてもスムーズに利用を開始することができました。
そうそう、クリニックの住所を事前に登録しているのですが、私が間違えて設定していたことがありまして。その際に、スマートドライブのカスタマーサポートからご連絡があり、「この設定の仕方の方が誤ることがないですよ」とご提案、サポートいただいきました。あの時は本当に助かりましたね。
SmartDrive Fleetを導入した効果は実感されていますか?
導入してから、しっかり効果を実感しています。営業の稼働時間に対し、何にどれくらい時間がかかっているのか、どのくらい売上・利益を上げられるか、必要な部分と無駄な部分が明確に分かるようになりました。
今後も先ほどおっしゃっていた働き方改革の一環としてSmartDrive Fleetをご活用いただくイメージでしょうか?
最終目標は、ホワイト企業だと胸を張って言えるようになること。労働時間も適正で、ワークライフバランスを保てるような企業になりたいですね。
歯科技工業界もデジタル化が進んで今後ますます変化していくと思いますので、その流れにしっかり乗っていかねばなりません。実際に、患者さんの口腔内を写真で撮影し、CADソフトでデザインして、3Dプリンターで出力して模型を作るようになっていますし。ちょっとしたモノであれば、デジタルで処理できるようになるので、今後は営業の行き来が不要になることも増えるでしょう。
3Dプリンターで模型が作れるんですね!
さらに、5Gが本格的に普及してきたらビデオの映像も今よりもっと鮮明になりますから、近く、治療の現場に歯科技工士が遠隔で参加するような時代がくるんじゃないでしょうか。
そうした未来がもう目の前まで来ているのですね。
先ほど、歯科技工業界が衰退し始めているとおっしゃっていましたが、こうした変化のスピードについていけるか否かで企業の成長に大きな差がつきそうです。
歯科技工業界でも、時代の変化のスピードについていける方と、そうでない方の二極化が進んでいます。後者の場合は自分の代で終わりにする方も多いようです。また、コロナの影響でテレワークが進み、都心やビジネス街で経営していたクリニックから技工物が出なくなったことで閉めてしまうラボもありますね。
SmartDrive Fleetを始めさまざまなITシステムを取り入れながら、歯科技工業界の最先端を突き進んでいただければ幸いです。ありがとうございました。
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