管理者とドライバー、二人三脚で安全運転スコアがアップ。車両管理システムがもたらした効果
- 業種
- 自動車中古部品卸売業
- 管理車両台数
- 21台
- 事業内容
- 中古自動車の買取・解体・再生・再利用化・販売
- 従業員数
- 123名
- 活用目的
- 安全運転強化 / 法令遵守
同じ車両でも、積み込む荷物の内容や車体の大きさ・重さによって、課題感が異なります。自動車リサイクル業をメイン事業に展開する株式会社エコアールさまでは、不要になった車両や事故で損壊した車両の取り扱いが多く、大型かつ重量のあるトラックを使用されていますが、こうした車体は不安定になりやすく、ハンドリングも容易ではありません。にもかかわらず、4月に開催された「SmartDrive Fleet 全国安全運転イベント 2021春」では、前回と比べ同社の宮里さまが大きくスコアアップしました。車両管理システムを活用して、普段からどのような運転を心がけているのでしょうか?
SmartDrive Fleetの活用方法と合わせて伺いました。
インタビュイー:
株式会社エコアール
事業推進本部 輸送部 マネージャー/安全運転管理者 川和 克彰
事業推進本部 輸送部 宮里 和男
http://www.eco-r.jp/
安全運転強化と運行管理の適正化を目的に導入
エコアール様の事業内容について教えてください。
川和:当社は自動車全般のリサイクル業として、不要となった車両の引き取り、分解、それを中古パーツとして販売したり、そのままマテリアルとして解体処理をしたりする、トータルソリューション企業です。私が管理責任を追っている輸送部の業務は、自動車ディーラー、リース会社、損保会社、個人宅から車両を引き取ること。今までは、タコグラフのみで車両の運行管理を行っていましたが、いま、誰が、どこにいるのかといった位置情報や各ドライバーの細かな運転状況については把握しきれていませんでした。
ドライバーへの安全運転教育については、栃木県で無料で運転適性検査を実施している社団法人がいますので、年1回、依頼をかけて実施していたんです。しかし、あくまでもこれはゲーム感覚の検査であり、リアルな数値だとは言い難く…。運行管理と安全運転教育の適正化を行うことを目的に車両管理システムの導入を決めました。
導入後は、各ドライバーの位置情報と危険運転のアラート機能によって、誰がどの地点で急発進・急加速をしたのか、今まで見えなかった部分が見えるように。走行経路と地域全体において、危険運転が多い箇所、危険路線だと考えられるエリアも地図上で把握できますし、各ドライバーの運転度合いも点数で表示できますので、課題解決のみならず、多くのメリットを得られたと感じています。
エコアールさまが安全運転を強化する理由を教えていただけますか?
とくに事故を起こしたわけではありませんが、かと言って、事故が起きてから対策をしても遅いでしょう。事故ゼロを維持するには、日頃の積み重ねが重要です。
タコグラフはスピード超過や急ブレーキ、急発進、急ハンドルなどの危険操作までは取得できませんでしたから、SmartDrive Fleetがこれだけ詳細なデータを取得できることに驚いています。事故につながりかねない細かな挙動を検知して見える面白さ、細かな分析ができることで、ドライバー自身も自分のスコアを毎日チェックするようになりました。
お取り扱いしているのは主に廃車とのことですが、積み込む荷物を考慮して気をつけていることはございますか?
今はコンプライアンスや法令遵守が当たり前の時代ですから、何を運搬しようが、法律の遵守と安全運転を徹底しなくてはなりません。ぶつけてヘコんだ車両って、周りから見てもあまり印象が良いとはいえないでしょう。ですからこそ基本に立ち返り、安全第一を守っているのです。
弊社では、事故で損壊した車と合わせて、自動車屋さんで不要になった部品なども運搬します。そういう点では、通常の運搬車と比べて不安定ですし、さらに、落下物が無いように点検も必要です。そういった状況を複合的に考えても、安全運転が重要なんです。
安全運転スコアの結果から、運転で注意すべきことを追求した
今回は安全運転イベントへご参加いただき、ありがとうございました。2回目の参加となりますが、イベントへの感想をお聞かせ願えますか?
川和:他の企業さんがとても頑張っていらっしゃるので、気合を入れました。弊社では、営業スタッフと輸送スタッフにSmartDrive Fleetを導入していますが、人によって点数の差が大きいので、走行データをもとに面談を実施するなど、全体のスコア向上に向けて取り組みました。
ドライバーである宮里さまは前回から大幅にスコアアップされました。普段の運転で気をつけていることを教えてください。
宮里:一番は車間距離です。車間距離を通常より長めに取れば、ブレーキを強く踏む確率も低くなりますし、法定速度が60kmの道路は58kmくらいで走行すると前方車両との距離も適切に保つことができます。
イベントをきっかけに意識するようになったのでしょうか?
宮里:日々の安全運転診断の結果に「急減速が多い」と表示されていたので、原因を自分なりに追求しました。それが車間距離の狭さだとわかったため、そこから注意するようになったのです。
宮里さまが運転されている車両は大型ですので、急ブレーキを踏むとその分大きなGがかかりそうですね。
川和:トラックの特性にもよりますが、宮里が運転しているトラックは、車両を5台積んで運搬するほどの大きさがあります。車を積む際はエンジンをかけたままにするので、安全運転診断機能の特性上、その時間帯も計測されてしまいます。しかし、積み込みも降ろすときも、一定量の勢いをつけなければ車体上に積み込みできない構造になっているため、管理者側としては、数字が改善されたのはその部分を工夫したことが大きいのではと考えています。
宮里:そうですね、強引に積むのではなく、滑らかに積んだり降ろしたりするよう心がけるようになりました。
ドライバー自身が振り返ることが、スコアアップの近道
宮里さまはご自身のスコアを振り返り、急操作の原因が車間距離だと追求されました。SmartDrive Fleetが導入されたことで何か気づきや変化はありましたか?
宮里:急ブレーキの抑制が事故防止につながるという認識が植え付けられた気がします。普段は、自分の運転を客観視することはないでしょう。安全運転診断機能とスコアによって、今まで気づくことができなかった注意点に気づくことができ、意識が大きく変わりましたね。
川和:一緒に分析データを見ながら、自分のくせや改善すべき部分を理解してもらい、私からどのような運転をすると良いのかを提案し、実行に移してもらう流れです。
ちなみにフィードバック面談はどれくらいの頻度で行われていらっしゃるのでしょうか?
川和:スコアを記したサマリレポートは毎日出力しドライバーに配布、ファイル化していますが、面談は半期に一度です。ただ、管理者の私に危険運転のアラートメールが送られてくるので、アラートが多いドライバーに対しては個別に注意をしています。
毎日配布されれば必ず目を通しますし、意識も変わりそうです。
川和:渡しているのは点数のみのため、なぜ点数が上がったのか、下がったのか、分析までは行っていませんが、点数が良ければモチベーションが上がりますし、悪ければその原因について私に聞いてきたり、自分なりに一日の運転を振り返ったり、自分の運転を見直す材料の一つになっているようです。
レポートにはさまざまなグラフや運転に対するコメントが記載されていますが、宮里さまが「ここだけは必ず確認している」というポイントがあれば教えてください。
宮里:先ほどの車間距離に通じますが、大型車両は知らない間にスピードを出していることが多いため、速度には必ず目を通します。車そのものもが大きいので、重量によって加速してしまうのです。ただ、上り坂はある程度の加速が必要ですので、速度に注意しながらもスムーズな運転をするようにと意識しています。
川和:速度や急操作が全てレポートで出力されるので、スピード超過についてはどのドライバーも意識して見ていると思います。
重量が重いと、加速しているつもりはなくても、気づかないうちにスピードを出してしまうことも考えられますね。そのように、客観的に分析し、原因を突き止めることで、気をつけるべきポイントがわかり、スコアが改善したのではないでしょうか?
川和:今まで、ヒヤリハットなどの危険予知訓練は実施していたものの、具体的な指標もなく、的確な指導が行えていたとは言い難いものでした。今回レポートによって運転特性が数値やグラフで可視化されるようになったことによって、個々のドライバーへ指導する際も、信ぴょう性があがりますし、理解度が深まるようになりました。
ですから、管理者や企業が、一人ひとりのスコアを伸ばせるよう、成長過程を見ながら管理と指導を行うことで、しっかり成果は現れてくると思います。
業界特有の課題にも役立つ機能が満載
安全運転レポート以外に、日々ご活用いただいている機能について教えてください。
川和:リアルタイムの位置関係が把握できますので、万が一のトラブル、車両故障が起きた時や作業が遅延した時に、応援体制が取りやすくになりました。たとえば、A地点のスタッフが予定通りに作業が進まず、スケジュールが押したとしても、近くに誰がいるのかわかるので、サポートに向かうよう、適切な指示を出すことができます。連携が取りやすくなったので効率もアップしていますね。
サポートの指示は川和様がご担当されているのでしょうか?
川和:データの管理者として統括して見ていますので、私が指示を出しています。車両の位置情報から、「作業中だな」「今、戻っている最中だな」と予測できますから、予定より少し動きが遅いと感じたときは、電話で現場の状況を確認し、近くにいるスタッフを伝え、適宜サポートに向かわせるようにしています。
万が一のトラブルが発生した場合はなるべく早く、サポートが欲しいですしね。
川和:運搬も営業も基本は一人で運転していますからね。また、私たちの業界は、現地で車両の見積もり作業を行いますが、営業スタッフには、現地に到着後、停車して電話をかけてもらいます。その位置情報から、付近をGooglemapやストリートビューで近辺の進路通路を確認するのです。引き取り前の、そうしたやりとりにも活用しています。
というのも、車を引き上げる際に、住所が分からないことが多くありまして。カーナビに住所を入力しても表示されなかったり、そもそも住所が無かったり、広場に置いてあったりというケースもあります。しかし営業スタッフが現場に行けば、SmartDrive Fleetで位置情報を取得できるでしょう。つまり、下見も兼ねて、トラックが通路を走行できるかを事前確認するんです。
確かに私有地ですと、地図に住所がなかったり、道がそもそも整備されているか分からなかったりしますね。
川和:トラックが通れるか、現地まで安全な走行が可能か、事前に情報がわからないとスタッフの安全確保もままなりません。SmartDrive Fleetには、安全運転推進以外にも、スムーズな連携や事前の安全確保など、業務上のあらゆるシーンで助けられています!
業界ならではの課題解決の一助となり、私たちも嬉しく思います。引き続き、よろしくお願いいたします!
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導入事例をまとめてご紹介
SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。