葬祭業界にもデジタルの風を!吉澤企画さまが車両管理システムをもとに進める変革
- 業種
- 葬祭業
- 管理車両台数
- 15台
- 事業内容
- 葬儀専門人材派遣事業、霊柩搬送事業、施設運営、葬祭備品の販売など
- 従業員数
- 130名
- 活用目的
- 安全運転強化 / 法令遵守
葬儀専門の人材派遣業から始まり、現在は葬儀会社と一般のお客様、両者に向けてサポート事業を展開している株式会社吉澤企画さまは、2018年よりSmartDriveの車両管理システムを導入いただき、現在までご活用いただいております。
SmartDriveはこの数年で、お客様の声をもとに多数の機能を追加してきましたが、導入当初から今に至るまで、どのようにご利用いただき、今後、どのような目標に向けて活用の幅を広げていかれたいのか、同社の多田さまと金山さまに伺いました。
インタビュイー:
株式会社吉澤企画 多田 総太郎様
株式会社吉澤企画 金山 健太様
https://kikaku-y.co.jp/
葬祭関連サービスを幅広く展開
まずは、吉澤企画様の事業内容について教えてください。
多田様(以下、敬称略):株式会社吉澤企画は、葬祭業界、葬儀社さまのトータルサポート企業として、葬儀専門の人材派遣事業を主軸に、霊柩搬送事業、ご遺体の安置施設運営、葬儀式場、葬祭備品の販売など、葬祭事業者向けにサービスを展開しています。また、葬祭事業や葬儀式場の運営、遺品整理も対応しています。
もともとは葬儀社様向けの人材派遣業からスタートし、そこから派生して、葬儀にまつわるさまざまな関連事業を展開するようになりました。
現在、霊柩搬送事業で車両管理システムをご活用されています。霊柩搬送事業とは、依頼が発生した際に吉澤企画様が所有されている霊柩車を使用し、御社に所属するドライバーが搬送を請け負うという流れでしょうか?
多田:はい。小規模の企業様ですと、運転手を雇用する負担もありますし、稼働状況も波があるため、霊柩車をはじめ、搬送車両を所有していないケースは少なくありません。その部分を私たちの方でサポートをさせていただいております。
サポートされている地域は東京近郊のみですか?
多田:東京、神奈川、埼玉、千葉のみならず、全国どこからどこへでも搬送を対応しています。と言いますのも、ご自身の田舎に帰りたいという方もいらっしゃいますから、ご要望に合わせて柔軟に搬送できる体制を整えているのです。逆に地方部から都心部へ搬送することもあります。
ありがとうございます。ちなみに、多田様と金山様の担当業務についてお聞かせ願えますか。
多田:私は入社当初からシステムの構築や管理を担当しています。ここ最近は、金山を含め、システムの担当者が新たに参画しましたので、チームとして業務の改善や効率化に努めているところです。
金山様(以下、敬称略):私は霊柩搬送事業において、病院のお迎えからご自宅への安置、そして式場の搬送まで、車両管理システムをフル活用しながら業務に携わっています。実際に私も運転しています。だからこそ、SmartDriveの車両管理システムの良さを1番理解していると思っています。
予定が読めない業界だから、リアルタイム機能が重宝している
SmartDriveの車両管理システムを導入される前は、どのように運用されていましたか?
多田:前提として、この仕事は24時間体制です。葬儀社さんから搬送の依頼をいただき、緊急で搬送・送迎に向かうのが通常の流れですが、依頼をいただくタイミングは読むことができません。
火葬場へ搬送する場合は、先のスケジュールになるため事前に車両の予約ができますが、ドライバーは予定以外の時間はそのほかの搬送業務にも対応します。つまり、既存スケジュールをベースに、当日スポットで搬送業務を差し込むことになるので、今までは事前に霊柩車の予約状況を記載した1週間分のスケジュールをホワイトボードに貼り出し、当日、葬儀社さんから依頼が入ったタイミングで空いている時間を確認、ドライバーと霊柩車を手配していました。
空き時間を確認するにはその日出勤している各ドライバーに電話をかけ、緊急搬送に向かえるか否かを確認しなければならなかったのですが、限られた人数で回していることもあり、スケジュールの確保も簡単ではなくて。
火葬場への搬送スケジュールがありつつ、その間にスポットで緊急の依頼が入ってくるということですね。弊社のサービスをご利用いただいている他の葬儀社様からは、運転中の電話はドライバーにとって非常に負担になると伺っています。
多田:弊社でもそこが大きな課題でした。運転中なのですぐに受電できないですし、大事な方を亡くした喪主さんが乗車中に業務連絡の話をするのも失礼にあたります。しかし、電話も取れない、居場所も稼働状況もわからないとなると、緊急なのにお客さんをお待たせすることにもなりますし、管理側もピリピリしてしまう。早急になんとかしたい!と思っていました。
その解決策として車両管理システムを導入されたと。SmartDriveの車両管理システムを導入いただいたのは2018年ごろですが、当時はこのようなサービスがあることをご存知でしたか?
多田:全く知りませんでした。スマートドライブさんが業務改善のイベントに出展されていて、そこで初めてこんなサービスがあるのか!って。その当時、何か業務改善に使えるツールはないかと社内で模索しており、その手がかりを探そうとイベントに訪れたんです。いくつか同じようなサービスが並んでいましたが、一番興味を惹かれたのがSmartDriveの車両管理システムでした。
SmartDriveの車両管理システムを選んだ決め手は何だったのでしょう?
多田:実際にお話を聞いていて非常にわかりやすかったですし、会社や人の雰囲気が良かったんです。それに、他社サービスと比較してコストも安いじゃないですか。インターネットで探せば同じようなサービスが出てきますが、シガーソケットに挿すだけで位置情報が分かるという手軽さに魅力を感じました。
ちなみに、当時は他社サービスと差別化していることはございましたか?
3年前は今よりずっと機能がシンプルでしたが、「いずれはこんな世界観を作りたい」という想いが常にありました。また、誰でも簡単に使えること、直感的に使い方が分かることを重視し、それをデザインに落とし込んでいます。そのあたりは他社との大きな差別化ポイントです。
多田:たしかに、デザインも決め手の一つでしたね。今後、さまざまな機能を追加していくと聞いて、期待も込めて導入したんです。
その期待に応えられているでしょうか…?
多田:今では使い切れないくらい、多彩な機能が搭載されていますので期待以上です!
導入時から現在に至るまで、リアルタイム機能が活躍中
現在はSmartDriveの車両管理システムをどのようにご活用されていますか?
多田:導入時から変わらず、GPSからの位置情報をタイムリーに地図上へ反映できるリアルタイム機能をフル活用しています。
金山:もっとも利用頻度が高いのがリアルタイム機能です。現在地の確認や到着予定時間など、電話をかけなくても、リアルタイムの位置情報によって次の行動が把握できますし、連携も取りやすい。最近のアップデートで、停車時間も記録されるようになりましたので、みんなで「すごいね〜」って盛り上がっていますよ。
停車時間の把握は、さらなる業務効率化につながるでしょうか?
金山:お迎えにあがった先では、通常、エンジンをかけて待っていることはできません。ですから、逆に言うとそれによって、「エンジン止まっているから到着したんだ」と分かるんです。
滞在時間によって状況をある程度予測、把握することができるのですね。
金山:はい、今後はそのような使い方をしていきたいですね。
リアルタイムに関しては、ここ半年でさまざまな機能を立て続けにリリースしています。たとえば、管理画面の地図上に渋滞情報が表示される機能をご存知でしょうか?
金山:まだ、使っていません。
急務の際は非常に役立ちますので、ぜひ今後、ご活用ください。リアルタイムの画面を表示すると右上に「オン」と言うボタンが現れますが、その横にある四角が三枚重なったアイコンをクリックしていただくと、さまざまな情報が表示されます。
金山:これなら、混雑状況が一目でわかりますね!
今まで多くのお客様から要望をいただいており、ようやくリリースに至りました。ちなみに、日報機能などのその他の機能についてはいかがでしょうか?
多田:正直なところ、使い切れているとは言い難い状況です。ただ、運転日報の提出義務がありますので、今後、こちらも上手く活用していきたいですね。ドライバーの中にはデジタルに慣れていない人もいるので、基本は今も紙に手書きなのです。管理者が全て対応できれば良いのですが、管理者の手が回らない時はスタッフが会社に戻って提出しなくてはならないので…。そうした諸々を考慮すると、デジタルへシフトするのはもう少し先かなと考えています。
高齢のドライバーが多いと、ITツールを覚えるのも大変だったり、そもそもスマホも持っていなかったりします。そのあたりの運用面についても、御社の力になれるよう、引き続きサポートさせてください。
多田:ありがとうございます。私自身は、定期的にアップデートのお知らせが届きますので、全てを活用しきれずもったいないと思いながらも、「面白い機能が増えたな」と楽しんでいます。導入当初は何回も電話サポートで相談させていただいていましたが、いつも丁寧に対応いただいたおかげでスムーズに運用ができました。
金山:今後、活用の幅を広げていきたいので、是非ともお願いします!
安全運転を維持し、事故を限りなくゼロにしたい
今後、「このように活用したい」とお考えになっているようなことはございますか?
金山:今のところは困ることがないくらい完璧ですので、現状維持で十分です。強いて言うなら…予算が許しさえすれば、ドライブレコーダー型の車両管理システムに入れ替えをしたいと考えています。
今は別のドライブレコーダーを取り付けてらっしゃる?
金山:一般的なドライブレコーダーを取り付けていますが、他の機器との連携ができず、少し不便を感じています。ドライブレコーダー型の車両管理であれば、リアルタイムで通知がきて、すぐに危険な運転を把握できますし、危険操作の記録を蓄積できますよね。そして、それらを事例として社内で共有できれば、さらに事故の防止やリスク低下が期待できるんじゃないかと。
御社のような業種では、安全運転は非常に重要な取組みですね。
金山:そうですね。ただ弊社の場合、どの車両も年間4万〜5万km相当を走っていますが、今のところ無事故です。また、事故といっても車両同士の接触はなく、少し擦るぐらいですね。
多田:霊柩車は基本的に低速で走行しますし、お客様とご家族を載せていますので事故は絶対に起こせませんから。
普段から安全運転を徹底しつつも、さらに事故のリスク低減を考えられている。素晴らしい心がけですね。
導入前後で業務効率はどう変化したのか
SmartDriveの車両管理システム導入前後で運用はどのように変わりましたか?
多田:ホワイトボードでの運用は相変わらずですが、電話の回数が大幅に削減しました。電話での確認が無くなったことが一番大きな変化ですね。お客様からご連絡をいただいても、リアルタイムの位置情報から誰が対応できるのかが即座にわかるので、お待たせすることもなくなりました。
電話の件数はどのくらい減少しましたか?
多田:最終的に電話はかけますので回数が減ったというより、つながらなくて待機する時間が短縮した感じです。お客様を乗せていることがわかれば電話をかけませんし、仕事が終わる時間が予想できますので、効率よく連絡ができるようになりました。
導入から運用が定着するまで、苦労されたことはなんでしょう?
多田:導入当初は勝手にデバイスを取り外すドライバーがいたんです。
金山:ずっと同じところに止まりっぱなしで動かない人がいたりしました。
多田:それをどのように解消するかが最難関でしたね。取り外しが難しい場所へ設置したり、シガーソケットにテープを巻いて抜けないようにしたり。
物理的に取り外しができないようにしたのでしょうか?
多田:そう、物理的に。また、該当ドライバーに電話をかけて「今、取り外していませんか」と聞いて、見ていることを理解させるとか。とにかく試行錯誤しながら徐々に定着していった感じです。
金山:今ではほぼ、取り外しされることがなくなりました。
ドライバーさんにも受け入れられているようで、私も嬉しいです。ドライバーさんがサービス画面やリアルタイムの位置情報を利活用されることはございますか?
金山:あくまでも会社で運営をしているものですし、管理者が使用しているツールの一つですので、個人が使用できる設定にはしていません。ですから、本社に戻った際に管理画面を見ることは可能ですが、個人のスマホからアプリで確認できるようにはしていないんです。社員の何人かはアプリをダウンロードし、位置情報が把握できるようにしていますが、それも20名中2、3人程度です。管理画面自体はどのドライバーも見たことがありますし、よく利用していますが、どんな機能があってどんな活用ができるのかについては全て理解していないと思います。
多田:営業所にいる時は管理画面のリアルタイム情報を見て、どのドライバーが今どのあたりにいるのか、いつ頃戻ってくる予定など、確認していることが多いようです。弊社は安置施設も運営しており、ご遺体が運ばれるときに合わせて受け入れの準備を行います。ですから、準備を始めるタイミングを計るために、この辺りに居るからあと5分くらいだろうと予測に活用しているスタッフもいますね。
準備のタイミングが把握できると効率よく動くことができますね。
金山:安置施設と言っても、まわりは一般の建物に囲まれていますから、一人ではなく数名で手伝った方が良いのです。スタッフが複数名いれば、外部からストレッチャーに乗せたお体も見えませんので、出来る限りそうしたいのです。
スマートドライブの車両管理システムは緊急性が高く、流動的な現場に役立つ
お二人から見て、SmartDriveの車両管理システムは吉澤企画さまのような冠婚葬祭業を展開する企業様にとって有益だと言えるでしょうか?
多田:冠婚葬祭に関する事業を運営し、なおかつ車両を多数お持ちの企業様にとっては非常に有用なサービスだと思います。スムーズな連携はサービス向上にもつながりますし、時間と業務を有効活用するにもおすすめですね。緊急性、流動性の高い現場ではお役立ていただけるサービスかと思います。
金山:導入前は社内もピリピリしていましたが、今はテキパキと動けるので重宝しています。
最後に、吉澤企画様ではIT活用について、今後どのような展望をお持ちなのかをお聞かせいただけますか?
多田:私たちの仕事は、葬儀関係のお客様と葬儀をあげるご家族の方に寄り添いサポートする仕事です。直接、感謝の言葉を頂戴しますし、頼りにもされますので、本当にやりがいがある仕事なんです。葬儀はトラディショナルなものではありますが、伝統を尊重しつつもこれからの時代に合わせて変化していかねばならないとも考えています。
変化のスピードが早く、大変な時代ですが、吉澤企画としても何か、新しいことに挑戦していきたいと考えています。葬儀業界に新たな風を吹き込むようなアイデア、デジタル・IT技術には積極的にチャレンジしていきたいですね。
葬祭業は良い意味で変化の余地がまだまだありそうですね。
多田:葬儀業界も、今後はネット社会に順応していく必要があります。また、少子高齢化によって人口もますます減少していきます。今後、20年程度は需要が伸びていく業界だと言われていますし、成長産業として捉えていただけばと。
私たちとしても全力でフォローし、ますますのご活躍と成長を後押しさせていただければと思います。ありがとうございました!
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