高速バスや路線バスにも動態管理が必要?
電車にバスにタクシー。これらは通勤や通学をはじめ人々の生活に欠かない公共交通機関です。特に日本は普段から時刻表通り時間きっちり運行しているため、道路の混雑状況や天候によって予定通りに離発着しない時、利用者がやきもきすることは少なくはないかもしれません。
位置情報や車両、ドライバーの状況が把握できるため、幅広い業界の様々なシーンで活用できる動態管理は、利用者と事業者に対してどのようなメリットを享受してくれるのでしょうか?
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通勤・通学に利用される路線バス。その難点は…
日本では基本的に定刻通りに乗り物が運行されています。駅よりも細かい区間ごとに運行しているバスは、自宅近くから乗降ができる、目的地の近くまでいけるなどのメリットがあります。超高齢化社会が進んでいることからも、年配者の移動手段としてバスは必要不可欠な交通機関です。
しかし日頃から定刻時間通りに離発着する電車のような利便性に慣れていると、たった5分の遅れにさえイライラしてしまう人も少なくはないかもしれません。毎朝の通勤・通学で利用している場合は、到着時刻を考えて特に敏感になるはず。都心では信号の多さと通勤利用者が多いことによる乗降時の混雑、さらには渋滞と、様々な理由が重なった結果、遅延が発生してしまいます。そのため5〜10分どころか30分近く到着が遅れることもあるようです。到着時間がズレてしまうことによって、時間通りについた利用者が「もしかしたら既に次の駅に行ってしまったかも」と不安にさせることもあるでしょう。
定刻通りに移動したいならば電車をという意見もありますが、駅から自宅が遠いなどを理由に移動手段として欠かせない人が多いのも事実です。もし、バスの運行状況が一目でわかれば、利用者も移動手段の変更や遅延の連絡を明確に伝えるなど、次の行動の予測が立てやすくなるかもしれません。
相次ぐ高速バスでの事故
バスには路線バスだけでなく、高速道路・自動車専用道路を経由して都市間、あるいは都市と観光地などを結ぶための高速バス(貸切バス)もあります。貸切バスは観光バスとしてのサービスほか、団体輸送やイベント輸送など、様々なニーズに対応できるサービスとして多くの人に広く利用されています。特に料金が安い深夜バスは若い人を中心に人気の移動手段です。
2012年4月に関越自動車道で起きたツアーバス事故、2016年1月に発生した長野県軽井沢町でのスキーバス転落事故など、ここ数年で立て続けに悲惨な事故が発生しています。こうした事故の再発防止に向けて、国土交通省はハード面とソフト面の両側から安全・安心なバスの運行を実現するためのガイドラインを設け安全対策の強化に取り組んでいます。夜行バスの運転手1人当たりの走行距離上限を400キロかつ9時間までにするなど厳格化しました。
とはいえ、利用者やバスと契約している旅行会社にとっては、個々の貸切バス事業者が安全性の確保のための取り組みを適切に行っているか否かを判断することは難しいものです。そこで国土交通省は貸切バス事業者安全性評価認定制度(以下、評価認定制度)を制定し、安全性や安全の確保に向けた取組状況について評価を行い、優良な貸切バス事業者を認定・公表するようになりました。
各バス会社では、安全意識の向上と運転技術のレベルアップに積極的に取り組んだり、乗務員の健康状態を把握するために定期診断や日々の体調チェックを実施したり、衝突防止補助や眠気検知センサーなどを導入するなど、多角的な観点で安全対策を行っています。
電車同様、バスも多くの人の命を預かって移動をする上、拘束時間も決して短くはありません。事故の原因は様々な観点で考えられますが、外的な要因のほかにも、乗務員のちょっとした不注意や疲れていても交代できる人がおらず体調が優れないままハンドルを握っている場合もあるかもしれません。しかし、一度大きな交通事故を起こしてしまうと、多くの命を落としてしまうだけでなく社会的な信頼も落ち、その損害は計り知れないものになってしまうのです。
バス業界もIT化が必須…?
2015年7月、東名阪自動車道で起きたWILLER EXPRESSの高速バス事故。乗客25名を乗せた高速乗合バスがダンプカーに追突し、双方の車両が道路脇約2メートル下の畑に転落しました。この事故により、複数の負傷者が出ています。この一件を受け、同社は事故を誘発する要因を減らすため、2018年2月に「健康診断ではなく健康管理という視点から乗務員の健康増進に取り組んでいる。IoTなどの技術による運転サポートにも力を入れる」(平山氏)と発表しました。
同社は2016年から、走行中の運転手の脈波を計測し、疲れや眠気の予兆を検知して本人に知らせる機能を備えた富士通のウエアラブルセンサー「FEELythm(フィーリズム)」を導入し、乗務員に装着させています。眠気の傾向が表れると首にかけた本体を振動させたり、スマートフォンから音声で通知したりする仕組みを持ったフィーリズムにより、事故による車両損傷額が74%減少したと言います。また、運転中の車両が撮影した動画を運行管理者が遠隔でリアルタイムに確認できる、24時間体制のモニター管理システムも取り入れています。
ジェイアールバス関東株式会社では、西日本ジェイアールバス株式会社と共同でWindows 8.1 が搭載されたパナソニック製「TOUGHPAD FZ-M1」を330台導入。乗車券販売システムと連動した座席管理を行えるアプリや運行をサポートするアプリの開発などで、さらに安全かつ確実な運行を行うなど、お客様サービスの向上や業務改善に努めています。
バス業界では、もはやIT化が必須と言える状況になっているのかもしれません。
安全・安心・信頼を担保するために、動態管理が役立つ!
リアルタイムで運行状態や位置状況を知りたい。たくさんの人に安心してバスを利用してもらいたい。事故だけは絶対防ぎたい。そうした課題を解決するためにおすすめなのが動態管理システムです。GPSから取得した位置情報によって走行追跡と稼働状況をリアルタイムで把握できる動態管理システムには、大きく以下のようなメリットがあります。
早めに危険を察知して知らせる
バスがいま、「どこで・どんな状況」で運行しているのかがわかれば、運行管理者も安心。路線バスのドライバーは安全運転はもちろん、時刻通りの運行を守るために常に気をはっています。事前に渋滞や事故が多い危険箇所を表示させて注意喚起させることができるので、安全と事故防止のサポートを行えます。
もし、深夜高速バスの運行中にふらつき運転が検知された場合、早めの休憩やもう一人のドライバーの交代を促すこともできるでしょう。遠方にいても乗務員の状況を把握し的確な指導を行えるのです。
運行状況の可視化でイライラを解消
運転状況や気象状況、道路の混み具合などの影響で時刻表通りの運行が難しいことも少なくはないはず。利用者のスマホにバスの現在地の表示やバス接近メールの配信ができれば、状況を理解した利用者の不安や苛立ちを少しでも軽減することができるでしょう。リアルタイムで確認できるので利用者だけでなくドライバーも到着時刻が把握できます。
運行履歴でPDCAを高速化。運行ルートも最適化する
走行経路や運行時間、速度などのデータを蓄積し、分析することで業務改善が行えます。工事中だったり渋滞が多く発生する箇所を回避しつつ、目的地を回るためにはどうすべきか、運行ルートの最適化も行えるでしょう。
現場の状況をリアルタイムで把握して事故を防ぐために、このようなシステムやツールがドライバーと事業者、両方の視点から徹底的にサポートをする。それが動態管理システムです。
難しくない!すんなり導入できるのが動態管理システム
動態管理システムの導入って工事が大変そう…。費用がかかりそうだし使い方も難しいんじゃないの?
そんな心配は一つもありません。
たとえばスマートドライブが開発するSmartDrive Fleet。シガーソケットに専用のデバイスをワンタッチで取り付けさえすれば、GPSでリアルタイムに動態管理ができます。業務に支障をきたすことなく手軽に導入でき、ドラレコと比べて初期費用を大幅に抑えられるのが特徴です。
走行ルートが記録され日報も自動化できますし、最適な運行ルートも自動作成します。業務効率化に使えるのはもちろん、「安全運転診断機能」により各ドライバーの運転傾向もビジュアルで表示できるため、日々の体調管理や的確な安全運転指導に利用できます。
他にもさまざまな企業が車両管理システムを提供しています。ぜひ、自社の予算とニーズに合わせて比較検討をして動態管理システムを探してみてください。