GPSで車の位置情報をリアルタイムに追跡できるサービスまとめ
人や車の位置情報を把握できるシステムとしてGPS(Global Positioning System)があります。GPSは衛星測位システムのことで、宇宙に漂う衛星からの信号を受信器で感知して、現在の位置を知ることできるというものです。
このように説明すると少し難しく感じるかもしれませんが、いまや普段使っているスマホや様々なアプリにも使われているので、なじみがある方も多いでしょう。このGPSを活用することで「車両の位置」をリアルタイムに把握できるサービスが存在することはご存知でしょうか? 特に法人向けに動態管理サービスとして提供されているものが多いですが、個人向けのものもあります。
今回はいくつか特徴的なものをピックアップして紹介していきます。
SmartDrive Fleetサービスのご紹介
SmartDrive Fleetで一体何ができるのか、業務の何が変わるのかをご覧いただけます。
目次
位置情報を把握することでどんなメリットがあるのか?
最初に少しだけGPSを活用したリアルタイム動態管理ツールや、GPSロガーといわれるような個人向けのツールの特徴に触れておきます。ここは不要であれば読み飛ばしてください。
法人用のリアルタイム動態管理サービス
まず車についてです。GPSを活用することで車の位置情報を追跡することは、「運転状況」を外部から把握することと同じ意味を持ちます。
わかりやすい例でいくと物流です。宅配車両などの状況をリアリタイムに把握できれば、「その車両が今どこにいるのか」「どのようなルートを走行しているのか」「走行しているのか、停止しているのか」といったことが遠隔からわかります。それが一体何の役にたつのでしょうか。
たとえば東京都庁の現在地の近くで緊急の依頼が入った場合、位置情報から都庁に1番近い車両を探し出し「近くで急な依頼があったから、今から向かって欲しい」といった指示をする際に使えます。もしくは地震などの災害が発生した時。車が走行していることがわかれば、少なくともものすごく危険な状態ではないことがわかるでしょう。
または進行ルートの先で何か事故が発生していることがわかった場合、ルートの変更を指示したりもできます。これらのことが全てリアルタイムにできるのです。
また車両の走行履歴を取得することで、運送ルートを最適化することにも活用できます。そうすれば業務効率の改善にもつながりますし、燃費削減対策にもなるでしょう。
企業にはこれらの機能に対するニーズがあるため、GPSを活用したリアルタイムの「動態管理サービス」を複数社が開発・提供しています。
個人向けのGPSサービス
そして法人だけではなく、個人でもGPSは活用されています。ただこれは車以外の用途の方が一般的かもしれません。
最近ではポケモンGOのようにエンタメ用途の需要も増えてきていますが、わかりやすい用途としては位置情報を追跡することによる安全確認です。たとえば山登りやスキー場などで遭難した場合、GPSをきっかけに遭難者の位置情報がわかり、救助にいたるという例があります。
また、東日本大震災の時はGPSのお陰で助かった人も大勢いると言われています。スマホに搭載されているのであえて専用のツールを携帯している人は少ないかもしれませんが、急な災害時にはGPSが命を救ってくれるかもしれません。少し前には、サーフィン中に沖に流されてしまって漂流していたサーファーが、Apple WatchをつけていたことでGPSがトラッキングできて救助されるということがありましたが、安全面におけるGPSの力はすごいですよね。
自家用車の場合、企業向けの動態管理サービスのようなニーズはあまりないかもしれません。ただし盗難防止として使われるケースや、中には探偵が追跡用に使用したり、浮気調査の目的などで使用されるケースもあるようです。また、免許取りたての若いドライバーや、家族に心配されながらも日々運転している高齢者のドライバーなどのケースでは、GPSが助けてくれることもあるのではないかと思います。
GPSで車両の位置情報を追跡できるサービス(個人用)
上述したとおり個人向けの製品はそこまで多くないので、Amazonや楽天で「GPSロガー」などのキーワードで検索。気になる商品をチェックしてみるのがオススメです。
WillGPS RT2300J
個人用の「GPSロガー」です。GPSロガーとは、移動したルートをGPSにて位置情報を測定し、記録(Log:ログ)する装置のこと。GPSロガーを持ったまま移動すれば、後にどのようなルートで移動したのか知ることができます。
GPSロガーにはリアルタイムで位置情報を追跡できるものと、あくまで走行記録を残すだけのもの(リアルタイム機能はない)の2つがあります。もちろんリアルタイム追跡機能があるものの方が値段は高いです。
このWillGPS RT2300Jはリアルタイム追跡機能付きのものです。PCやスマートフォンを通じて位置情報を把握します。
一般的なリアルタイムGPS位置検索サービスとは違い、携帯電波がなくてもGPSデータが一旦GPS本体に保存されるのが特徴。電波状況の良い時に自動で発信される仕組みで、軌跡データを確実に把握したい方にはおすすめです。GPSロガーの中でも比較的高性能・高価な商品といえるでしょう。
GT-730FL-S
GPSロガーの中でも割とお手頃なものもひとつ紹介しておきます。
台湾で開発された「GT-730FL-S」は小型のGPSロガーとして日本でも販売。ポケットに入るくらい小さいため、追跡したい個人に直接手渡すのも良いですし、車のダッシュボードなどに入れておいても問題ありません。
リアルタイム追跡機能がないため、5,000円以内で購入可能。あくまで走行ルートを後から追跡できればOKという方にとっては、安価で使いやすい製品といえるでしょう。
GPSで車両の位置情報を追跡できるサービス(法人用)
SmartDrive Fleet(株式会社スマートドライブ)
【サービス概要】
社用車や営業車の状況を一括で管理、走行履歴を活用して運転日報の作成などを自動化できます。シガーソケットに専用のデバイスを差し込むだけで使えるため、面倒な工事も不要です。
特徴的なのが「安全運転診断」機能。走行履歴からドライバーごとの運転のクセや事故リスクを可視化してくれるため、交通事故を事前に防ぐことにもつながります。
動態管理機能によってさまざまな業務が効率化されることはもちろん、交通事故防止にも活用できるのが最大の特徴です。
動態管理ソリューション(NAVITIME)
【サービス概要】
地図アプリが有名な「NAVITIME」では、動態管理ソリューションを提供しています。車両のサイズを任意で設定すれば、設定した車両に対する最適なルートが検索できるなど、ニッチではあるものの特徴的な機能を搭載。
位置情報だけではなく、案件の進捗状況や遅延状況、交通情報、天候情報も画面上で確認できます。
マップ機能が充実していて、国内初の地図自動更新機能により、最短で道路開通の翌日から地図データへ反映してくれます。また基幹システムと連携可能な各種APIも用意しているため、独自システムの構築も可能。がっつりカスタマイズしたい場合などには向いているでしょう。
docoですcar NEXT(ドコモ・システムズ)
【サービス概要】
NTTの基地局を活用したドコモ・システムズが提供する「docoですcar NEXT」。運行管理業務を総合的に支援する法人向けクラウドサービスです。トラックや営業車をはじめ、建機車両や消防車など幅広い車で運用が行われています。
2022年4月現在では、約3,000社、10万台を超える導入実績のあるサービスとなっており、GPS車載端末であれば標準プランが3400円〜、スマートフォン版であれば1800円〜使用できます。
動態管理だけでなく「安全運転支援、輸配送進捗管理サービス、アルコールチェック、バスナビ」といったオプションサービスも提供しています。
いつもNAVI 動態管理サービス(ゼンリンデータコム)
【サービス概要】
詳細なゼンリン地図を標準搭載した車両管理サービスです。長年培ったゼンリンデータコムの地図、ナビゲーションのノウハウを最大限に活用しています。
搭載している機能はリアルタイムの位置確認、ルート表示、ステータス表示(移動中・業務中・休憩中など)、メッセージ送受信、運行実績(動態実績)、日報出力など。一通り必要な機能を備えていることに加え、送迎バスの運行管理に特化したサービスを別途展開している点もユニークです。
スマートe-trasus(日立ソリューションズ)
【サービス概要】
スマートデバイス(タブレットPC、スマートフォン)によりスタッフや車両の位置を把握し、業務に関する情報を共有することで「ヒト・クルマ・モノ」といった資産を最適に配置・活用。日立の技術力を駆使した、業務効率化を実現する動態管理ソリューションです。
従来の据付型車載器に代わり、スマートデバイスを車載器として導入。スマートデバイスをハブとして動態管理だけではなく、「営業支援ツール」として活用できる点が特徴です。
法人用のツールに関して気になるものがあれば、ぜひ一度問い合わせをしてみてください。金額が公表されていないものも多いですし、台数や契約プランによっても料金はかなり異なります。
業務効率化はもちろん、交通事故の防止などサービスごとに特徴はさまざまなので、ぜひ自社の目的に合った最適なシステムを探してみてください。