法人で契約しているフリート保険、割引率UPのポイントって?
保有する社用車が10台以上の法人企業であれば、基本的にフリート契約で自動車保険に加入されていることでしょう。
フリート契約の特徴は、次年度の優良割引率が前年度のフリート割増引率や損害率、総契約台数で大きく変わること。それによって、ノンフリート契約よりも割引率が大きくなるのです。
もっと割引率を上げたい!と願う車両管理担当者や法人企業向けに、この記事では気になる料率決定のプロセスとポイントを解説しつつ、改善策についてもお教えします。
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目次
フリート保険はノンフリートよりおトク?
フリート契約は、一台ずつではなく契約者単位で割引率が適用されるため、契約している全自動車の保険料に対して割増引が適用されます。契約も一度で完了するので、事務的な手続きによる負担もありませんし、保険料や割引面でも大きなメリットがあります。
また、保険会社によって多少異なりますが、全車両一括特約を付帯できれば、追加で購入した車両は手続きしなくても自動的に保証範囲に含まれる、多数割引が適用される、割増なしで分割払いが可能になるなど、さらに大きなメリットを享受できるのも特徴です。支払う保険料は年間100万単位であったり、保有する車両が多いと1,000万を超えたりする場合もありますが、分割払いができるので、その点もフリート契約ならではのこと。
ただし、事故の回数ではなく支払った保険金の額により保険料率が決定するという一面も持ち合わせているため、事故の内容によっては保険料が割高になってしまい、せっかくのメリットも受けることができなくなってしまいます。
車両管理者であれば、フリート契約がどのような方法で次年度の割引率が算出しているのかしっかり理解しておトクに利用したいところ。次の項では、フリート契約の保険料の算出方法について詳しく解説しましょう。なお、フリート契約とノンフリート契約の違いやフリート契約の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
フリート保険の割増引率はこう算定されている!
今年も11月に入り、そろそろ次年度の割引率が気になるという担当者の方もいるかもしれません。まずは算定される要素から順を追って説明していきましょう。
フリート保険の割増引率は、①総契約台数②損害率③前年度のフリート割増引率、三つの要素から算出されます。
①総契約台数
総契約台数とは、契約者が所有し自ら使用する車について、自動車保険にご加入している合計台数のことです。総契約台数は多くなるほど割引率が高くなります。たとえば、損保ジャパン日本興亜の一般自動車保険『SGP』の場合、ノンフリート契約では割引率が最高63%でも、フリート契約であれば台数によって最大70〜80%の割引が適用されるのです。
②損害率
損害率とは全契約の保険料(既経過の修正保険料)に対して支払った保険金が占める割合のことです。損害率が低いほど割引が進行しやすくなります。
③ 前年度のフリート割増引率
次年度の割増引率は前年度の優良割引率を基盤として決められます。そのため、フリート契約の保険料は割増引率によって大きく異なってくるのです。前年がノンフリート契約だった場合は平均無事故率が適用されます。
保険期間と保険成績の関係
上記3つの要素を集計する期間(契約期間の後半・前半を合わせた1年)は成績計算期間と呼ばれますが、この期間と保険契約期間には実はズレがあります。そのため、「あれ、今年度は事故がなかったはずなのに割引が適用されていない」ということが発生してしまうのです。
上記の図をベースとして説明しますと、契約期間は毎年4月1日から始まり翌年3月31日までの1年です。しかし、成績計算期間は契約開始6ヵ月後の10月1日から次の契約年度の翌年9月30日となります。この計算期間における損害率、そして期末の総契約台数により、次年度の優良割引率が決定するしくみになっています。
決定した優良割引がすぐに適用されないは、この“6ヵ月のズレ”があるからです。ですので、万が一事故を起こしたとしても時期によっては「次年度の割引率がアップした」ということも少なくありません。しかしそうした場合、次の契約の割増引率に影響が及びます。これは逆に捉えれば、今の時期から安全運転を徹底して事故防止ができれば、次年度の割引率の改善が大きく期待できると言うことでもあります。
今からでも遅くはありません。契約期間と成績期間を確認して対策を行いましょう。
上記の図を見ると、多数割引は基本的に変わりませんが割引率がアップすれば当然保険料も大幅に下がることがわかります。ここで注意したいのは、単純に割増引率の変動幅を見るのではなく、保険料の変動割合を確認すべきであるということ。フリート割増引率は損害率によって大きく変動します。ですので、保険料を安定させて割引率をアップさせるには損害率を改善することが何よりも近道です。つまり、事故を防止・削減することで保険金を削減し保険料を安定させることにつながるということです。
「なかなか保険料が下がらないな」「割引率を上げるにはどうすればいいんだろう」と頭を抱えている方は、安全運転対策を強化することから始めましょう。
コスト削減を目指すなら、安全運転対策を強化せよ!
事故を防止してドライバーに安全運転を徹底させることができれば、次年度もその先の年度の保険料も大幅ダウンし、結果として企業側は大きなコスト削減が実現できます。
そこでまず、企業側が認識しておきたいことは、事故を起こさない=企業の品質が高いと思われること。一度でも交通事故を起こしてしまうと、大きな損害額が出ていくだけでなく、お客様や社会からの信用や信頼をも失ってしまいます。
保険業界では優良割引率を企業品質のバロメーターとして捉えられています。個々のドライバーの労務管理や健康管理も事故防止やフリート管理に直結するものですので、安全運転の周知だけでなく、事故による影響や企業価値についてしっかり理解したうえで有効な安全運転対策を行いましょう。
具体的な安全運転対策にはドライバーを集めた交通安全講習会の実施や日々のアルコールチェッカーなどのツールを取り入れたドライバーの管理が挙げられますが、さらに有効な安全運転対策として役立つのがGPSで取得できるデータを活用した社用車の車両管理システムや動態管理システムです。
このようなツールを利用してより高度な動態管理を行うことで、ドライバー一人ひとりの運転特性を掴み、的確な安全運転指導を行うことができます。そうすれば運転スキルと安全運転意識が向上し、事故の抑制にもつながるでしょう。
弊社、株式会社スマートドライブが提供している「SmartDrive Fleet」もその1つです。GPSリアルタイム動態管理を含め、ドライバーの勤怠管理や運転日報の自動作成、ドライバーごとの安全運転診断スコアリングなど、安全運転や事故防止につながる多くの機能を搭載しています。
デバイスに内蔵されているセンサーは、運転中に生じた加速度(G)と加加速度(ジャーク)を計測。計測されたデータをもとに、走行中に発生した危険挙動(急加速・急減速・急ハンドリングなど)を数値化して分布図で表示することができるため、営業スタッフや配送ドライバーの運転の癖を可視化して適切な安全運転教育が行えるようになるのです。
ドライバーの運転に異変があったら、他の日の走行距離と比べてどうか、外的な要因か内的な要因か、様々な角度から原因を分析していくことが事故削減へのカギとなります。こうしたデータは分析の目を通して安全運転対策に活用し、ドライバーと企業の意識を強化していきましょう。
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