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経費削減の特効薬!社用車の燃費改善ポイント

配送トラックや営業車など社用車を多く所有・使用している企業にとって、ガソリン消費量は大きなコスト。経営にも影響を及ぼすため、経営者や車両管理担当者は経費を削減するための改善策に試行錯誤している方も多いはず。ハイブリットや電気自動車へ買い替えるのが最も手っ取り早い方法ではありますが、いかんせん膨大な購入コストが発生するため、なんとかして現在使用している車両の燃費改善を進めていきたいところです。そこで今回は、保有台数・車種や会社規模に関わらず、すぐに実行できる社用車の燃費改善ポイントを伝授します。

経費削減の特効薬!社用車の燃費改善ポイント

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社用車の燃費を左右する要素

企業が経費削減をすすめるうえで、社用車の燃費向上は非常に有効な手段の1つですが、まずは燃費の良し悪しを決めるポイントについて解説しましょう。ご存知通り、ガソリン車は燃料が爆発した時のエネルギーによって走行しますが、まったく同じクルマであっても下記で示す3つの要素によって、社用車の燃費が想像以上に変化します。

1 総重量&クルマのタイプ

車重・全乗員の体重・積荷の総重量が重いほど燃費は悪化し、HV・EVを除けばボディサイズと空気抵抗が小さくなります。そのため、全長・全高が短いクルマのほど、燃費性能に優れているのが一般的です。

2 点検・整備・メンテナンス状況

クルマは綿密な計算と設計の元で製造されている精密機械であるため、エンジンや足回り関連パーツになんらかの不具合が発生した場合にもガソリンの消費量が増加します。

3 ドライバーの運転のクセと使用状況

3つの中でもっとも燃費に影響を及ぼしかねないのがこの要素です。「急」が付く運転や駐車中の無駄なアイドリングは燃費を悪化させる原因となりますし、ストップ&GOを繰り返す市街地での走行が多いケースも、否応なくガソリンを多く消費します。

自社が所有する全車両のタイプとメンテナンス・使用状況を正確に把握し、燃費悪化させる原因を1つずつ解消していけば、継続的・長期的な燃料コストの削減が可能になります。

社用車の燃費改善ポイント1「無駄な積荷の削減&配車の最適化」

社用車には配送する商品はもちろん、外出先で業務をこなすための事務用品・機器やノートPCなどといった通信モバイル、契約・交渉・打ち合わせに必要な書類から営業用の販促ツールまで、数多くの荷物が日々積み込まれています。

業務効率とバランスを取りつつも、1度のルート巡回で配送できる量に積荷を調整し、配送以外の業務で車両を長時間使用する際は、時間や労力はかかりますがこまめに荷下ろしすることも燃費向上のポイントです。また、WEB上であらゆる事務処理を一元化・ペーパーレス化可能な、業務効率化サービス・ソフトを活用すれば、事務用品・機器や必要書類を軽量化することも可能です。即効性は望めませんが、長期的には燃料消費量の減少を実現できます。

配車の最適化に関しては、たとえば単独で細かく移動する渉外営業部署は軽自動車を、長距離移動が多い部署は普通車をあてがうなど、工夫次第で全体のガソリン消費量を節約できます。さらに、活動エリアが重複or近い従業員を車両管理システムで抽出し、移動車両をまとめて稼働数を減らすという手も。また、車の買い替えとはいかなくても、使用状況に併せて転がり抵抗が少ない「エコタイヤ」を採用すれば、車両保有台数が多く年間走行距離が長い場合に、非常に大きな費用対効果を期待できます。

社用車の燃費改善ポイント2「燃費向上に直結するメンテナンスの実施」

細かい話をすれば、バンパーが少し変形しているだけでも燃費性能は変化しますが、影響が顕著なのは以下で示す3カ所です。まずはそれぞれ点検とメンテナンス頻度の目安を整理しておきましょう。

  • タイヤ空気圧・・・タイヤ空気圧はパンクなどの異常がなくとも自然に低下していきます。そのためそのままの状態で走行を続けると燃費悪化だけではなく、タイヤの寿命が短くなり、バーストのリスクも高まるため、給油時などに随時点検を実施してください。
  • エンジンオイル・・・エンジンオイルが劣化・減少すると、本来担っているエンジン内部の潤滑・冷却・密閉能力が弱まり、エネルギー効率・出力がともに低下、徐々に燃費性能が悪化します。ですので、充填量の確認・点検は1週間に1度実施しましょう。交換は4~5,000kmを目安とし、2回に1回の頻度でオイルをろ過する「オイルエレメント」も交換してください。
  • バッテリー・・・バッテリーが劣化すると充電効率が下がり、オルタネーターの作動時間が長くなるため、アイドリング時のエンジン回転数が増えて燃費が悪化します。バッテリーの点検頻度は1カ月に1回程度が望ましく、交換は使用状況によって異なりますが概ね2~3年ごとに行います。また、車が動いていない時間が長いと劣化スピードが速くなるので、多少のガソリンを使用しますが、毎日10分程度はアイドリングしたほうがトータルの維持コストが抑えられることも。

さらに、燃費が大幅に悪化すると言われているエアコン(主に冷却)ですが、一般社団法人・日本自動車工業会が発行している「乗用車の燃費」によれば、エアコンをONにすると10%程度燃費が悪化するとのこと。

実燃費15km/Lの車で3時間は優にかかる150km移動したと仮定すると、エアコンON・OFF時の消費燃料差はわずか1L程度です。今の市場価格(2020年3月23日現在)でいうと150円位とはいえ、多くの社用車を所有・多用している企業からすれば節約必死と言えるでしょう。とはいえ、炎天下の中、業務をこなす従業員へエアコンの不使用を促すのは健康衛生上望ましくありませんから、燃費の悪化を極力抑えるコツをお教えしましょう。

燃費に優しいエアコン活用術1 エアコンオイルの点検&補充

カーエアコンのガスは走行時の衝撃で自然に抜けてしまいますが、その際一緒にコンプレッサーを潤滑・冷却・密閉しているエアコンオイルも徐々に減少します。

エアコンオイルが不足すると、コンプレッサーを作動させるのに余計なエネルギーが発生、エンジンオイルとほぼ同じ原理で燃費性能が悪化するため、シーズンインのタイミングでエアコンガスと一緒に点検してもらい、不足しているなら随時補充をしてください。また、コンプレッサーへの負荷を軽減し燃費を向上させる効果を期待できる、エアコン添加材も各メーカーから数多く販売されているので、運送・物流業界など夏場に長時間クルマを運転する業種の場合は、使用を検討するのも良いでしょう。

燃費に優しいエアコン活用術2 車内に熱気を溜めない&車外への放出

JAFの調査によると、真夏に1時間クルマを炎天下で駐車した際の車内最高温度は50℃以上に達するため、サンシェードを設置したり窓を少しだけ開放したりしておくなど、極力車内に熱気を溜めない対策を取りましょう。

車両で移動する際は、窓を全開にしただけではなかなか温度が下がらないため、助手席側の窓だけをフロント・リア共に全開、その後運転席側のドアを数回大きく開閉してみてください。そうすれば、車内の温度がグンと下がり、エアコンが効き始めるまでの時間を大幅に短縮できるため、次に紹介する活用術の効果が一層UPします。

燃費に優しいエアコン活用術3 使用開始時はフルパワーがおすすめ

エアコンスイッチを「弱」にしていれば、「強」の状態より燃費が良いと考える方が多くいますが、スイッチによって変化するのはブロアファンの出力のみです。つまり、コンプレッサーは常にフル稼働しているため、強弱による燃費への影響はほぼありません。ですので、使用開始時は迷わずエアコンを最大にして素早く車内を冷やし、十分冷えたと感じたらエアコンをOFFにして「内気循環モード」へ変更すれば、燃費を悪化させることなく長時間、車内を快適な状態に保つことができます。

社用車の燃費改善ポイント3「社用車の動態管理に基づくエコドライブ教育の徹底」

前述したように、燃費を悪くする運転にはすべて「急」が付きますが、裏を返すと減速時はエンジンブレーキを可能な限り使用するなど、「一定速度を保ったスムーズな運転」を心がければ、会社全体の燃料コストはみるみるうちに減少を見せます。

しかし、従業員のエコドライブ意識を高めていくのは最も難しい事でもあり、業務が多忙な中「急ぐな!」ともなかなか言えないのが現状です。

そんな時に威力を発揮するのが、IT技術を活用した車両管理システムです。GPS車載デバイスから送信されるリアルタイムな動態データに基づき、効率的な移動ルート・ドライブプランを策定すれば、運転時間を短縮と燃費改善を実現します。

また、同システムの多くにはドライバーの運転傾向をスコア化、管理者が常時確認できる「安全運転診断機能」が備わっており、燃費が悪化しやすい運転をしている従業員へ的確な指導ができますし、エコドライブ教育の材料にすることも可能です。加えて、稼働・メンテナンス状況の把握も容易になり、社用車を処分するタイミングやメンテナンスの遅れ・漏れなどを一目で確認することも可能なため、燃費改善はもちろんあらゆる面で経費を削減するための取り組みを、スムーズかつ確実に進めることができます。

エコドライブは安全運転とイコールの関係にあるため、安全運転意識を高める啓もう活動がコスト削減にも繋がり、さらには交通事故を予防する効果まで期待できるのです。

まとめ

大幅な燃費改善を実現するためには、経営者や管理者が「燃料節約!」と声高に訴えるだけでは効果がなかなか出ないものです。燃費が悪化する要素を可能な限り排除したうえで、従業員に協力を求め、会社を上げて取り組みを進めていきましょう。ただ、保有台数に関わらずクルマを業務利用している以上、EVを除けば燃料コストを完全に無くすことは不可能なため、もっと大幅なコスト削減を目指すのであれば、一部の社用車をカーシェアやリースに転換するなど、燃費改善と別の切り口での経費削減対策も検討すべきかもしれません。

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