ガス会社における車両管理システムの活用方法を紹介 –配送業務を安全かつ効率的に
2017年4月に都市ガスの小売が完全自由化され、一般家庭でも「ガス会社を選ぶ」ことが出来るようになりました。しかし選択肢は増えても料金面以外での違いや各社の特徴は意外と見えにくいもの。最近ではコロナウイルスの影響により自宅での生活時間が長くなったことで、「光熱費」にかかるサービスを見直し検討する家庭が増えてきました。このような状況の中、ガスを供給する事業者は、価格以外での差別化ポイントを探り始めています。
車両管理システムを活用することは、ガス事業者にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?
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目次
ガス会社の現状
導管によりガスを供給する事業(都市ガス事業)は、ガス事業法の改正により徐々に自由化が進められ、2017年4月に完全自由化となりました。あらゆる事業者がガス小売事業へ参入できるようになり、大手電気会社や石油系企業、通信事業者など、新たな領域での収益確保を狙う異業種からの参入が増えています。
また、都市ガス・プロパンガス(LPガス)を問わず、各社とも他社との差別化を図るため、電気やインターネット接続サービスとの一括契約による割引きやポイント還元などのサービスの多様化を進めており、競争環境が激化しています。
こうした環境下で、ガス会社は継続利用してもらう為に、利用料金だけではない、サービス内容の充実化にも取り組んでいます。例えば、修理依頼に対する即日対応、手厚いアフターサービスなど、顧客へのサービスの質の向上に力を入れています。
ガス業界の今後の行方は?
ガス業界は約9兆円の市場規模があるため、今後も異業種からの新規参入は続き、契約の乗り換え需要は増加していくでしょう。特に最近ではコロナウイルスの影響もあり、一般家庭でのガス消費量が一時的に増加したことが、契約先の変更を考えるきっかけとなっています。
既存のガス事業者にとっては、契約の切り替えを阻止する意味でも、保守点検、ガス機器配送などで既存顧客との接点を増やして「手厚くスピーディな対応をする」といった基本へ立ち返ることがカギになるでしょう。
ガス配送・メンテナンス対応業務を効率化する必要性
ガス小売事業は、営業や施工、保守・点検、修理、LPガスの交換などに車両を利用する機会が多くあります。直接お客様の元へ伺い、作業を行うため、即日完了率や1日の訪問件数の増加が、経営効率に直結していると言われています。
特に繁忙期となる冬場は、お湯を使う頻度が増えるため、通常の配送やメンテナンスに加え、故障やトラブルといった緊急対応が必要な案件が発生しやすい。そのため、ドライバーが今どこで何をしているのか、対応できるメンバーは誰かを即座に判断することが重要なのです。
実際の現場ではどのように対応しているのでしょうか。こちらは一例ですが、事務所にいる管理者がドライバーにメールの一斉送信を行ったり電話をかけるなどして、1番適切だと判断したドライバーを手配する、といったオペレーションを日常的に行っています。
運転中や作業中などで即座に連絡が取れない場合、いつ来るか分からないドライバーからの折返しを待つという手間や時間がかかります。また、管理者は常にドライバーの業務内容やその後の対応予定などを確認し、「今はこのあたりにいるだろう」「この時間はこの現場に向かっているはずだ」といった経験をもとにした”勘”も必要になってきます。
時には、いつもより離れた場所で訪問対応をしているドライバーに対しても「迅速に対応するように」といった少し無理のある指示をしてしまうなど、危険運転につながりかねない状況も発生します。
管理者の差配業務を効率化することは、経営効率を上げると同時にドライバーに安全に運転してもらうためにも必要なことなのです。
クラウド車両管理システム SmartDrive Fleetが提供する機能
リアルタイムに配送車の位置を把握
クラウド車両管理システム SmartDrive Fleetでは、10秒に1回という更新速度でリアルタイムに車両の位置情報を把握できます。それだけではなく、運転中、作業中などの状況も視覚的に把握することができるため、突発の緊急要請に対しても近くを走行している車両にピンポイントで指示を出すことが可能となります。管理者・ドライバー双方にとって効率化が進み、営業生産性が上がるだけではなく、対応を待っているお客様の満足度を高めることにも繋がり、自社への信頼を醸成することになります。
安全運転診断
LPガスや機材を積んで配送する場合、ガスという危険物を扱うことに対する細心の注意を払いつつ、当日の配送件数を意識し、さらに緊急要請にも対応しなければなりません。
つまり、一般的な配送業務以上に安全に運転することに意識を向ける必要があるのですが、ドライバーがどの程度、安全運転を行っているのか把握するのは難しい。そこで、SmartDrive Fleetでは、自身の運転のクセを可視化しスコアリングする安全運転診断の機能を搭載しています。
提供するIoTデバイスには、GPSだけでなく様々なセンサーが搭載されており、それらを集計したデータは独自技術「G-Force」によって可視化されます。走行情報はドライバー自身もパソコンやスマートフォンアプリで確認可能。急加速・急減速・急ブレーキが発生した場所も地図上で把握することができるので、管理者からの定期的な安全運転指導やフィードバックに役立てることができます。
ドライバーと管理者が、客観的に得られる情報をもとにコミュニケーションを取れるため、「安全運転を守りながらも、作業効率を落とさないためには何ができるか」といった前向きで納得感のあるやりとりに終始することができるのです。
業務効率化
ドライバーは毎日の運転記録をつける必要がありますが、運転日報を事務所で紙に記入し、毎日提出する、というのは手間がかかりますし「日報提出のために事務所に戻る」というのも非効率です。
仮に日報作成が5分で終わる作業であっても、1か月にすると5分×20日=100分/月の時間がかかっていることになります。
SmartDrive Fleetでは、一日の走行情報を自動でまとめ、簡単に運転日報を作成することができます。走行距離、走行時間、走行ルートが自動集計されるため、事務所に戻らなくても、パソコンやスマートフォンアプリでメモを追記するだけで運転日報が完成します。
また管理者にとっても、手書き日報を取りまとめる作業は、とても負担が大きいものです。紙で集めた日報をエクセルなどに打ちなおしている場合もあり、そうなると月末の集計作業だけで業務時間を圧迫してしまいます。SmartDrive Fleetに蓄積された日報データは、いつ、どこからでも確認できるため、管理にかかる工数を大幅に削減することができます。