営業車(営業用の社用車)とは?その定義から事故削減方法までを解説
営業車の定義について
実は道路交通法では営業車と自家用車の違いが定められており、 自動車運送事業者が事業に使用する車を営業車としています。運送事業以外の企業の場合、「営業車」という言葉は車両を活用して外回りをするための社用車のことを指す場合が多いです。
本記事では、運送事業以外の企業で使われている「営業車」について解説します。
営業車の事故削減をするためには
一言で営業車と言っても、運転するドライバーの運転経験や能力は様々です。一般の車との違いは「会社の名前を背負って運転していること」にあります。万が一事故が起こった際には「どこの会社の車が事故を起した」という形で捉えられるため、本人の安全はもちろんですが、企業としても事故防止・安全運転は非常に重要視すべきポイントとなります。
企業はどのように事故削減の取組を実施しているのでしょうか。
多くの場合、新人ドライバーや事故をおこした従業員への安全運転講習の開催、ペナルティを与える等の対策が行われています。しかし中には「色々な対策をしても事故が減らない」と頭を悩ませている管理者もいることでしょう。それは、これらの対策はあくまで「事故が起きてから」行うものだからです。
ハインリッヒの法則という労働災害における経験則があります。重大な1件の事故の背景には29の軽微な事故と300の危険操作(ヒヤリハット)があるとされており、重大な事故を未然に防ぐためには、日頃から小さなミスや不注意、さらには本人が自覚していないような運転のクセを認識し改善していくことが重要というものです。
運転という側面においては、急ブレーキや急加速といったヒヤリハットにつながる動作を出来る限りタイムリーに把握し、的確な対策を講じることで重大な事故を未然に防ぐことができると考えられています。
ヒヤリハット動作というものは、本人だけではなかなか自覚ができないものです。車両管理システムを活用することでそういった危険動作を自動で検知できれば、客観的に運転を振返ることができます。そうすることで、運転特性に合せた具体的な対策やアドバイスを行うことができるようになるのです。
営業車の業務を効率化する車両管理システム
「毎朝営業所に出社してから車に乗り、夕方近くになると営業所へ戻ってくる」という利用方法が、かつての営業車の使い方の定番でした。しかしここ数年、業務効率の向上を目的に、営業車での直行直帰を許可する企業が増えてきています。直行直帰を許可した場合に出てくる課題の一つが「労働状況の把握が難しい」という点です。日々の労務管理を自己申告に頼らざるを得ず、正確な勤務時間の把握が難しいのです。
そこで昨今ではGPSによる走行距離・走行時間や走行ルートを自動で取得する車両管理システムを活用するケースが増えています。車両管理システムを利用するためには専用のIoT車載器だけでなく、GPSが内蔵されている通信型のドライブレコーダー(ドラレコ)等を導入する必要があります。導入初期はコストがかかりますが、導入することで業務効率があがり、結果として残業時間の削減や働き方改革に効果が期待できます。
さらに、SmartDirve Fleetのようにドライバー向けにスマートフォンアプリを展開している場合は、アプリを活用して日報をタイムリーに作成したり、他の営業メンバーと訪問先の重複がないかをドライバー自身が確認し判断できるといった、さらなる効率化も期待できます。管理者としても日報が自動で取得されることでデータの回収や再集計に時間を取られることがなくなります。さらに走行データが蓄積されてくると、そもそもの業務量のバランスや担当エリアの見直し等、経営判断を行うためのデータ分析も可能になるのです。
GPSで営業車のさぼりを監視?
車両管理システムでは、GPSの情報を元にリアルタイムに営業車の位置情報を把握することができます。他にも車両が走行中なのか停車中なのか、そしてアイドリング中なのかも地図上で確認ができる。こういった機能をさぼりの監視に活用することもできますが、実際のところは、監視というよりも営業生産性の向上に活用している企業の方が多いようです。
例えば車両管理システムを導入しておらず、各車両の現在位置がわからない企業の場合、突発的な問合わせや訪問依頼に対応する際はどのようなオペレーションになるのでしょうか。
管理者がホワイトボードやエクセルに記入されている予定表を確認し、おおよその目星をつけ、片っ端から連絡するしかないでしょう。しかし運転中は電話に出ることができませんので、ドライバーは当然電話に出ずに次の訪問先へ移動したり、場合によってはそのまま帰社してしまうこともあります。
一方で車両管理システムを導入している企業の場合は、IoTデバイスを搭載している営業車から自動的に送信されるGPSの情報によって、自社の営業車がどこの位置にいるのかが確認できます。こうなると管理者は簡単に最短で訪問できる人物を見つけることができます。ドライバーとしても、位置情報見た上で連絡が来ていることが分かるので、「重要な連絡だな」とわかり、どこかに停車して依頼内容を優先して確認するでしょう。
実際にクラウド車両管理システムを活用し、売上が昨年対比で10%上がったという事例もあります。
株式会社ベルテックス
売上昨対比10%アップ、事故数ゼロ!業務効率化だけではない、車両管理システムの活用方法とは?!
株式会社タープ不動産情報
迅速な対応でお客様との信頼関係を築き、稼働の可視化で働く環境を改善。
実際に車両管理システムを導入した企業のドライバーはどのように思っているのか。SmartDrive Fleetを利用しているドライバーの生の声を一部紹介します。
“安全運転診断は自分の運転をスコアとして客観的に見ることができるので、今まで以上に運転に気にかけるようになりました。ゲーム感覚でこまめに確認し、もっと安全運転しよう、この癖を直そうと、自分の中で振り返りができるようになったのも大きな変化ですね。”
“導入の話を聞いてはじめは“監視される”というネガティブなイメージを持っていました。しかし導入しても、いつも通りに業務にあたっていると何も気にすることはありませんし、逆に以前より安全を優先するようになったので良かったのではないかと。”
“事前に「社員の安全を優先したいので、車両管理システムを導入します」と聞いていましたし、私自身も安全を守るものだと認識していますので、監視されているとは感じません。営業行動も今まで通りです。”
※さらに詳しく知りたい場合は下記の記事をご覧ください。
車両管理システムを導入したら…現場のスタッフはこう思っている