安全運転のために!初心者ドライバーが心がけたい12のこと
現代社会において、車は日常の主たる移動手段になっています。
かつては車の運転免許は男性の取得率が高かったものですが、現在は男女関係なく自動車を運転するようになりました。警察庁の運転免許統計によると、昭和44年には免許保有者の83%が男性で女性はわずか17%だったのが、平成27年には男性55.2%、女性が44.8%とその差はかなり縮まっています。
また、年齢層別に見ても20~29歳は約84%、30~39歳は約95%が免許を保有しており、若い人の間でも車の免許をとることはまだまだ一般的であると言えそうです。(上述した27年の運転免許統計と、同年の年齢別男女人口より計算)
そんな車の免許ですが、取得したばかりの頃はちょっと車を運転するのでもやはり緊張するもの。とはいえあまりにガチガチになって運転していると、かえって危険なことにもなってしまいかねません。
そこで今回は初心者ドライバーの方向けに、安全に快適に走るためのチェックポイントを紹介していきます。免許は以前取得したけど、しばらく運転していなかったという方も初心に返るという意味で、チェックしていただければと思います。
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目次
乗車姿勢
まずは乗車姿勢からです。武道でもスポーツでも、構えというのは大切ですよね。これは運転でも同じことです。
少し後ろへ座ってみる
慣れない運転で緊張してしまい、お腹がハンドルにぶつかってしまうほどシートを前に引いて体を近づけ、ガチガチになってすぐ前を見ている、ということはありませんか?
これでは肩に力が入りすぎて凝ってしまいますし、直前だけを見ていては、たとえ一般道であっても広い視界を確保できません。そこで、1段でも2段でもいいですから、シートをちょっと後ろに下げてみましょう。そうするとドラミラーが見やすくなったのではないでしょうか。
ボンネットにミラーがついていたフェンダーミラーの時代は、乗車位置による見え方にあまり違いはありませんでした。しかし、現在多くの車に採用されているドアミラーは運転手とミラーの位置が近いため、シート位置がちょっと違うだけで見え方が変わってきます。
さらには、左前方の視界も広くなったことに気づくと思います。
ハンドルへの距離は、足元のペダル位置にもよりますが、ハンドルへ両手を伸ばして肘がちょっと下がるぐらいの位置がちょうどいいのです。下がったことで前が見えにくいと思ったら、シートを上に上げてみましょう。また視界が広くなるはずです。
ドアミラーの合わせ方
次にドアミラーの合わせ方ですが、よく「車体の1/3がミラーに写るように」と言われます。しかしこれも、視界を広くするという点では必ずしも1/3も写す必要はありません。
試しに、車体の1/3が写る位置に合わせたあとで、ミラーを外向きに動かしてみましょう。そうすれば、今まで写らなかった後ろの景色が見えてくることに気づくはずです。
慣れてくれば、車体は1ミリ写っていればいいと思える人もいるでしょう。そのほうが、視野が広くなるからです。
車の運転とは、走りながら刻々と変わる状況を的確に判断して、ハンドルやペダルの操作をするという動作を連続して行うことです。事故を避けるためにも、なるべく視界を狭めないようにしながら自分に合ったミラーの位置を探していきましょう。
視線は遠くへ
次は視線を遠くへ向けてみましょう。人が歩く速度は時速4キロですが、車はその10倍以上のスピードで走っているので、より遠くも視界に入れないと危険なことになってしまいますよね。
さらに道路では、車の流れ全体を見ることが大切になってきます。時々ミラーで後ろを見ることも必要です。緊急自動車の通過もわかりますし、追突事故の「むち打ち」も、ある程度防ぐことができます。
運転操作
暖機運転はわずかでよい
車はガソリンや軽油を燃やして走りますが、近年のエコロジー的観点から言うと、暖機運転はものの30秒もすればよく、走り出してすぐはゆっくり、徐々にスピードを上げていけばいいのです。
部品の加工精度も向上していますので、暖気運転が短いためにエンジンが傷むこともありません。
バックするときは、内側の後輪が軸になるイメージで
運転に慣れていない人にとって難敵と言えるのがバック。ハンドルをどう回せば車がどう動くか、なかなか難しいのではないでしょうか。
そこで覚えておくといいのは、バックする場合、車は後輪内側のタイヤを軸にして回るというイメージです。バックしながらハンドルを右に回せば、右の後輪が軸になるということです。
これを「内輪差」と言って、最も内側を通るのは、右側のリアタイヤです。この感覚をつかむとバックへの苦手意識も軽減されますよ!
スーパー等の駐車場は、バックで入れたほうが出るときに楽
駐車場の枠が横にたくさん並んでいるとき、前進で入れていませんか?
前進で停めてしまうと、出るときにハンドルを切ろうにも、左右に車があって思うように切れないことがあります。車は前輪タイヤが左右に動きますので、必然的に車体前方も左右に動くわけです。
どのみち駐車場では、来たときか帰るときか1度バックするのです。前進して入れ出るときにバックするのなら、先にバックで侵入して停めて前進で出るほうが楽です。
アクセルもブレーキも踏んでいないときがある
これも、ある初心者の運転を見ていて気づいたのですが、彼は信号で止まるときなどを除き、常にアクセルを踏んでいました。止まるときは当然ブレーキです。
この場合は、前方の信号が赤なら、その手前ではアクセルもブレーキも踏んでいなくていいのです。
そうすれば燃費は良くなりますし、ブレーキパッドの減りも軽減されますよね。もちろん不測の事態に備えていつでもブレーキを踏めるようにしておくことは必要です。
交差点での注意事項
右折の信号待ちでは、ハンドルは直進状態にする
まず下の図を見てください。
あなたは右折しようとしているとき、車体とハンドルを直進状態にして(A)待っていますか? あるいは(すぐ曲がれるように?)車体は斜め、ハンドルも切って(B)センターラインをまたいで待っていますか?
正解は(A)です。
対して(B)は、2重に危険なのです。
1つは、車体が斜めになっている(後部面積が大きくなる)ために、追突されやすくなります。
2つめは、追突された場合、対向車線に飛び出してしまうために、今度は対向車からも衝突される恐れがあります。最悪の場合、前後から挟まれてしまいますよね。
教習所で習ったとは思いますが、忘れてしまったのか、案外こういう運転をする方は多いものです。
道路を走っているのは車だけではない
また、道路を走っているのは車だけではありません。
右折でも左折でも、車の陰にバイクや自転車、歩行者がいることがあります。
特にバイクは小さいうえにスピードが出ますから、交差点を通過する車の陰にいることがあります。それに気づかずに対向車がアクセルを踏むと、車に続いて走ってきたバイクと衝突してしまいます。
これは、交差点におけるバイク事故で最も多い「右直事故」です。
ただでさえ交差点は事故が多いので、視界は広くとり、一呼吸置いてからの操作を心がけましょう。
点検
タイヤ交換ぐらいはできるように
メンテナンスや修理が苦手なドライバーは多いものですが、タイヤ交換はマスターしておきましょう。
パンクだけでなく、冬季にスタッドレスタイヤに交換することもあります。その都度用品店やガソリンスタンドに持って行っては運搬も費用も大変ですし、突然雪が降り出したときなど、交換客が殺到して何時間待つかわからないこともあります。
方法は簡単で、車載のジャッキとホイールレンチでできます。
ただし、できれば十字型のレンチを買っておくのがいいでしょう。車載レンチはL字型なので、足で踏むなど強い力で締めると、ホイールボルトを曲げてしまう恐れがあるためです。
オイル交換のサイクルは覚えておこう
それと同時に覚えておきたいのは、オイル交換のサイクルです。
販売店から点検案内が来るとしても、走行距離は皆まちまちですよね。したがって交換タイミングも、皆違ってきます。交換サイクルばかりは自分で覚えていなければなりません。
オイルはエンジンにおける血液のようなもので、走行距離に応じて汚れてきます。血液は呼吸によって常に綺麗に保たれていますが、オイルは交換しないことには綺麗にはなりません。あまりに交換しないでいると、エンジン内部を摩耗させてしまいます。
市販の車の場合、オイルにもよりますが、5,000キロから10,000キロで交換するといいと思います。
その他
車は綺麗にしておけば故障も減る
「洗車はメンテナンスの基本」という言葉があります。
この言葉には、2つの意味があります。
1つは「いつも洗車して綺麗にするほど車を大切にしていれば、故障も減り、長持ちする」という意味で、確かに泥だらけの車は見た目が汚いばかりか、泥が錆の原因にもなり、オーナーも車に無頓着なことが多いです。
もう1つの意味は「洗車しながら故障や不具合を見つけることがある」ということです。
洗車しながら車体各部をよくチェックすれば、ボディやホイールの傷、ホイールナットの緩み、灯火類の玉切れ、ウォッシャーノズルの詰まり、ガラスの傷などを発見することができます。
そうして日頃から綺麗にしておけば、売る場合にも有利です。
まとめ
いかがでしょうか。
免許取り立ての頃は車を運転することが怖いと思う場合もありますが、安全運転に心がけ、自分の腕で距離と時間をかせいでいけば、やがて上手になってくるものです。
ここでは、初心者が陥りやすい運転スタイルと基本的メンテナンスについて、提言という形でまとめてみました。
筆者は身長177センチですが、シートは比較的後ろに引いて、ルームミラーと左右ドアミラーは、視線をほとんど動かさなくても視界に入ります。運転において目から得られる情報は、多ければ多いほど安心できるものです。
是非あなたもご自分に合った運転スタイルを見つけ、車の運転が安全で楽しいものになることを願っています。
平成25年の警察庁統計
https://www.npa.go.jp/toukei/menkyo/pdf/h25_main.pdf
平成19年度 国土交通省白書
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/html/n1232000.html