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車のエンジンを長持ちさせる正しいエンジンオイルの交換方法〜元整備士が教える車の知恵その3〜

みなさんはエンジンオイルの役割についてご存じですか? エンジンオイルはエンジン内の潤滑油。本来、自動車のパーツといういうのはそれぞれが金属で出来ているため、非常に傷つきやすく出来ています。
ですから、エンジンオイルが全く無い状態でエンジンを動かすとどうなるか...。結論から言いますと、すぐに壊れてしまうんですね。これは比喩ではなく、本当にすぐ壊れてしまうのです。

ですから、エンジンオイルというものは自動車の中でも非常に重要な「消耗品」であり、愛車を大切に乗るためには正しく理解しておくことが不可欠。そこで今回はエンジンオイルの仕組みについてしっかりと解説していきます。

車のエンジンを長持ちさせる正しいエンジンオイルの交換方法〜元整備士が教える車の知恵その3〜

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エンジンオイルは消耗品

エンジンオイル=消耗品であるというのがネックで、実はエンジンオイルの交換時期というのは一般的に知られているよりずっと短いものなんです。

というのも、エンジンオイルがばっちり入っていても、やはりそこは金属部品。ほんの少しづつエンジン内で部品は削れていきます。そういった金属同士が擦れてできた粉などを綺麗に洗い流す役割もエンジンオイルはしているのです。

つまりエンジンオイルには、徐々にそういった金属同士が擦れてできた粉が含まれていきます。これが非常に厄介です。エンジンオイルにこういった金属の粉が含まれていくと、本来であれば潤滑油として働くはずのエンジンオイルが、逆に研磨の役割を持ってしまいます。これはエンジンオイル内に含まれる金属粉同士が各パーツと擦れていくためです。

ですから金属粉がある程度含まれた時、それがエンジンオイルの交換時期といっても良いのです。

エンジンオイルの交換時期

さて、一般的にエンジンオイルは、メーカーの仕様書を見ると15000km~20000kmで交換。もしくは、2年ごとの交換がお勧めされていたりします。しかし先ほどのような金属粉を洗い流す役目、またそういったものが含まれていくものであるという性質上、本来それでは遅いということが分かります。

エンジンオイルはエンジン内の洗浄効果もありますので、エンジン内を綺麗にするという効果に焦点を絞って考えた場合、私であれば軽自動車であれば3000km程度、普通車であれば5000km程度での交換をお勧めしますし、メカニックやディーラーの多くは多少の違いはあれど同程度の走行距離での交換をお勧めすると思います。

では、なぜメーカーと実際のメカニック、ディーラーなどの考える交換時期に大きな差が出るのでしょうか? それは、メーカーの想定する自動車の乗り方は「ノーマルコンディション」と呼ばれるものであり、一般的な運転者の方が乗る乗り方は「シビアコンディション」といって、メーカー側ではあまり想定していない乗り方だからです。

ノーマルコンディションとシビアコンディション

ノーマルコンディションというのは、一定の距離を走るとき、常に同じスピードで落ち着いて走行。加速もゆっくりと時間をかけて加速し、ブレーキも丁寧にゆっくりとかけていきます。急カーブなどもさほど多く無く、道路の起伏もほとんどない状態を想定しています。

どうでしょう? あなたの運転や走っている道と照らし合わせてみて、このような状態で乗る事ができているでしょうか?

現在、日本の道路や一般的な自動車の乗り方であればこのノーマルコンディションで乗る事ができている人はほんの一握りであるといっても過言ではありません。一般の方が一般的な道路を運転する場合、それらはほぼ全てシビアコンディションという、メーカーが言う所の自動車に無理をさせるような乗り方、悪路などの走行をしている事になります。

ですからメーカーがメンテナンスノートなどに記載しているメーカー推奨エンジンオイル交換時期と、実際にオススメするエンジンオイルの交換時期は大きく食い違うのです。

最初に申し上げた通り、エンジンオイルはエンジン内を潤滑すると共に、エンジン内のゴミやチリをとってくれる非常に大切な消耗部品です。ですからここの交換をケチると、自動車はどんどんと性能が落ちていってしまいます。加速不良、オイル漏れ、変速ショック(オートマでギアが切り替わる時、急にガクンと切り替わる状態)など、エンジンオイルの交換をケチるとろくな事がありません。

ですので、お車を大切に乗りたいのであれば、エンジンオイルは多少安いものであってもこまめに交換していくことをオススメします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?3回に渡って愛車を長く、安くのっていくためのコツを自動車整備士の目線でお伝えしてきました。

今回紹介した3つの要素、「ブレーキパッド」「バッテリー」「エンジンオイル」はいずれも自動車にとってなくてはならないパーツであると共に、消耗品です。これらを出来るだけ長持ちするように運転者側で乗り方の工夫をし、こまめにメンテナンスをしてあげることによって、みなさんの命を運ぶ車は長く、みなさんの期待に応えてくれます。

安全運転を心がけつつ、細かい部分はケチらずきちんとお金をかけてあげることは、長い目で見るとみなさんの愛車を長く安く乗っていくための重要な要素なのです。

自動車は無くてはならないものですし、何年、何十年と共に過ごす大切なパートナーだからこそ、しっかりとした乗り方、メンテナンスを心がけてあげたいですね! ■ライター情報 clownstyle中古自動車販売店にて販売・整備を4年間経験。3級ガソリン自動車整備士の資格を所持。これまでの経験を基に、実例を踏まえながら車に関するお役立ち情報を届けていきます。

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